マレーシアでの転職/就職/生活に関するよくある質問(Q&A)

マレーシアでの就職や転職活動、そして気になる現地での生活について、本当によくいただくご質問とその回答を、Q&A形式で詳しくまとめてみました。
※これからマレーシアへの渡航や就職を考えているあなたの、不安や疑問が少しでも解消されたら嬉しいです!

①マレーシア生活/転職の基本情報(どんな国?働く魅力は?)

 

Q
海外での就労経験はないですが、大丈夫?
A

もちろん、大丈夫ですよ!マレーシアは、初めての海外転職に挑戦する方にこそ、とってもおすすめしたい国なんです。その理由はいくつかあります。

まず、日系企業が約1,600社(2023年 JETRO調査)も進出しており、日本人向けの求人が安定して存在します。特に近年は、従来の製造業に加え、ITやサービス業(BPO、シェアードサービスセンターなど)での求人が急増していて、未経験からでもチャレンジできるポジションがたくさんあるんですよ。

そして何より、マレーシアは多民族国家で、公用語レベルで英語が広く通じるのが最大の魅力!街の看板も、レストランのメニューも、職場でのコミュニケーションも基本は英語なので、タイやベトナムのように「現地の言葉が話せないと生活が…」という心配がほとんどありません。この「英語が通じる安心感」は、初めての海外生活のハードルをぐっと下げてくれます。

生活コストもKLの中心部でなければ比較的抑えられますし、インターナショナルスクールも充実しているので、ご家族での移住にも人気の国です。あなたの経験や希望に合った求人を見つけて、マレーシアで新しいキャリアと生活をスタートしてみませんか?

 

Q
マレーシアで働くための学歴条件などは?
A

基本的には4年制大学を卒業していることが、就労パス(日本の就労ビザに相当)を取得するための一般的な条件となります。ただ、IT分野などの専門職であれば、専門学校卒でも豊富な実務経験があれば認められるケースもあります。

マレーシアの就労パスは、タイやベトナムと少し異なり、職務経験年数が重視される傾向にあります。一般的には、関連分野で最低でも2〜3年以上の経験が求められることが多いですね。そのため、社会人経験のない新卒の方がいきなりマレーシアで就職するのは、少しハードルが高いのが実情です。ただ、企業によっては第二新卒向けのポテンシャル採用を行っている場合もあるので、諦めずに探してみる価値はありますよ!

 

Q
マレーシアのビザ(就労パス)取得条件は厳しい?
A

正直にお伝えすると、ここ数年で以前よりは厳格化されています。政府が国内雇用の保護に力を入れている背景があるんです。

就労パス(Employment Pass, EP)の取得には、学歴や職務経験に加え、月額給与が最低でもRM5,000(約16.5万円)以上であることなど、いくつかの明確な基準が設けられています。この基準をクリアしているかどうか、企業側としっかり確認することが大切です。申請手続きは基本的に内定先の企業が進めてくれるので、あなたは必要な書類(卒業証明書、パスポートのコピーなど)を準備することになります。審査に時間がかかることもあるので、内定から入社までは2〜4ヶ月ほど見ておくと安心です。

 

Q
マレーシアではどんな職種や業種の求人が多い?
A

マレーシアの求人は、本当にバラエティ豊かですよ!

伝統的に強いのは、タイと同じく製造業です。特に「東洋のシリコンバレー」と呼ばれるペナン島や、首都圏のセランゴール州、シンガポールに隣接するジョホールバルでは、電気・電子系の工場が多く、品質管理や生産管理、営業などの求人が豊富です。

そして、今最もホットなのがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やシェアードサービスセンターです!世界中の大企業がマレーシアに拠点を置いていて、そこでのカスタマーサポート、ITヘルプデスク、人事、経理といったポジションで、日本語スピーカーが常に求められています。ここは未経験からでも挑戦しやすく、多国籍な環境で働けるのが魅力です。

その他、ITエンジニアデジタルマーケティングの専門職も引く手あまたですね。

働くエリアによっても特色があり、首都クアラルンプール(KL)は金融・IT・サービス業の中心地。ペナンは製造業と観光業、ジョホールバルは製造業とシンガポール関連のビジネスが盛んです。

 

Q
語学力はどれくらい必要?TOEICは必須?
A

マレーシアで働くなら、日常会話レベル以上の英語力はほぼ必須と考えた方が良いでしょう。TOEICのスコア自体よりも、ミーティングで発言したり、同僚とチャットしたり、メールを書いたりといった実践的なコミュニケーション能力が何より重視されます。職場はマレー系、中華系、インド系の同僚がいる多国籍環境が当たり前なので、共通言語である英語ができないと、仕事を進めるのが難しくなってしまいます。

ちなみに、マレー語や中国語(マンダリン、広東語など)ができると、ローカルスタッフとの距離がぐっと縮まったり、特定の顧客とのビジネスで非常に有利になったりするので、キャリアの幅が広がりますよ!

 

Q
全く日本語しか話せないですが、大丈夫?
A

ゼロではありませんが、かなり選択肢は狭まってしまうのが正直なところです。一部の日系企業で、お客様も社内も日本人だけ、という環境であれば日本語のみの求人も存在します。ただ、マレーシアで働く醍醐味である多文化環境での経験は得にくくなってしまいますね。

ただ、マレーシアは街中で英語が通じるので、生活面でのハードルは低いです。働きながら英語を学ぶ意欲があれば、きっとマレーシア生活を何倍も楽しめますよ!

 

Q
マレーシアはどんな国?
A

マレーシアは、東南アジアの中心に位置し、マレー半島とボルネオ島の一部からなる、人口約3,300万人の国です。一番の特徴は、驚くほど多様な文化が共存していること!マレー系、中華系、インド系、そして多くの先住民族がそれぞれの文化や宗教、言語を尊重しながら一緒に暮らしています。イスラム教が国教ですが、仏教寺院、ヒンドゥー教寺院、キリスト教会が同じ通りに並んでいる光景も珍しくありません。「Truly Asia(真のアジア)」という観光キャッチフレーズが、まさにこの国の姿を表しています。

 

Q
マレーシアで働くと給与はどのくらいもらえるの?
A

もちろん業種や職種、経験によって大きく異なりますが、先ほどお話しした通り、外国人が就労パスを取得するための最低月給ラインがRM5,000(約16.5万円)と定められています。実際には、日本での社会人経験がある方の多くは、これよりも高い給与でオファーを受けることがほとんどです。

 

Q
職種や経験によるリアルな給与相場を教えて。
A

あくまでざっくりとしたイメージですが、こんな感じです。(1リンギット=33円で計算)

  • 若手・未経験者向け(カスタマーサポート、営業アシスタントなど):
    月給 RM6,000~RM8,500 (約20万円~28万円) ※言語手当やシフト手当を含む
  • 数年の経験者(営業、IT、マーケティング、経理など):
    月給 RM9,000~RM15,000 (約30万円~50万円)
  • 管理職・高度専門職:
    月給 RM15,000以上 (約50万円~)

これはあくまで目安で、あなたの経験やスキル、そして英語力によって大きく変動します。特にITなどの専門スキルがあると、さらに高い給与が期待できますよ。

 

Q
手取り額はどのくらいになるの?
A

月給から天引きされるのは、主に「所得税(PCB)」「社会保険(SOCSO)」「雇用保険(EIS)」です。駐在員でなければ、年金に相当するEPF(従業員積立基金)への加入は任意の場合が多いです。

例えば、月給RM8,000の場合、居住者(滞在日数が年間182日以上)になれば手取り額はだいたい約RM7,100くらい。月給RM10,000だと、手取りは約RM8,600くらいが目安になります。

ただし、一点だけ注意が必要です! マレーシアに来て最初の半年間(暦年で滞在が182日を超えるまで)は、税務上「非居住者」となり、所得税が一律30%(※2024年現在)引かれるケースが一般的です。その期間は、月給RM8,000でも手取りがRM5,600程度まで下がる可能性があります。 (※払いすぎた税金は、翌年の確定申告で還付されますが、最初の数ヶ月は資金計画に余裕を持っておくと安心です。)

 

Q
マレーシアでの日系企業数の推移について教えて
A

現在は約1,600社と推定されています。伝統的な製造業(電気・電子、自動車部品など)の進出が多かったですが、近年はマレーシア政府のデジタル経済推進策もあり、IT関連企業の進出が目立ちます。また、巨大な中間所得層をターゲットにした小売業(伊勢丹、イオン、ドン・キホーテなど)飲食業も非常に元気で、KLのショッピングモールを歩けば、日本のブランドをたくさん見かけますよ。

 

Q
マレーシアには日本人がどの位の数、住んでいるの?
A

外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、2023年10月時点で31,133人となっています。企業の駐在員とそのご家族に加え、現地採用で働く方、MM2H(長期滞在ビザ)でリタイアメント生活を送る方など、様々な日本人が暮らしています。

 

Q
マレーシアは親日国?
A

はい、非常に親日的と言えるでしょう。その背景には、1980年代にマハティール元首相が提唱した「ルックイースト政策(東方政策)」が大きく影響しています。これは、日本の勤勉さや経済発展をモデルに国づくりを進めようという政策で、多くのマレーシア人が日本に留学や研修に訪れました。そのおかげで、年配の方でも日本に良いイメージを持ってくれていることが多いんです。

もちろん、若い世代には日本のアニメや漫画、J-POP、日本食が大人気!KLには本格的なラーメン店や居酒屋もたくさんあって、日本のカルチャーが深く浸透しているのを感じます。

 

Q
マレーシアの公用語は?英語は通じる?
A

国語はマレー語ですが、ビジネスや教育、都市部での日常生活では英語が広く公用語として使われています。これはマレーシアで生活する上で本当に大きなメリットです!KLのカフェで注文する時も、Grab(配車アプリ)のドライバーさんと話す時も、役所の手続きですら英語で大丈夫なことがほとんど。英語が通じるので、タイや他の東南アジア諸国に比べて、言語の壁を感じることは圧倒的に少ないはずです。

 

Q
マレーシアの治安って良いの?
A

東南アジアの中では比較的良好で安全な国です。ただし、日本と全く同じ感覚でいるのは禁物。スリや置き引き、特にバイクを使ったひったくりは日常的に発生しているので、道を歩くときはバッグを車道と反対側に持つ、などの注意は必要です。

ただ、凶悪犯罪に巻き込まれることは稀で、ほとんどのコンドミニアムには24時間体制の警備員がいるので、住居のセキュリティは非常に高いです。基本的な防犯意識(夜中に一人で出歩かない、貴重品を見せびらかさない等)を持っていれば、安全で快適な生活が送れますよ。

 

Q
マレーシアの祝日はどのくらいあるの?
A

これがマレーシアの面白いところで、祝日は日本よりかなり多いです!多民族国家なので、イスラム教の断食明け大祭「ハリラヤ・プアサ」、中華系の「旧正月」、インド系の光の祭り「ディーパバリ」、そして「クリスマス」と、各民族の大きなお祭りがすべて国民の祝日になっています。

さらに、全国共通の祝日に加えて、各州が独自に定める州の祝日(王様の誕生日など)もあるため、年間で20日以上お休みがあります。連休も多いので、国内旅行や近隣諸国への旅行がしやすいのも嬉しいポイントです。

 

Q
マレーシアの気候について、雨季や乾季の過ごし方で気をつけることはある?
A

マレーシアは一年中、日本の夏のような「常夏」です!明確な四季はなく、大きく分けると雨季乾季に分かれますが、乾季でも突然スコールが降ることは日常茶飯事。

特に気をつけることは2つです。
スコール対策:午後に突然、バケツをひっくり返したような激しい雨(スコール)が1〜2時間降ることが多いです。折りたたみ傘は必須ですが、風も強いのでしっかりしたものがおすすめ。この時間はGrabも捕まりにくく、道も冠水して大渋滞するので、移動の際は時間に余裕を持つのが鉄則です。
ヘイズ(Haze):乾季の終わり頃(例年7月〜10月頃)に、インドネシアの野焼きの煙が風に乗って流れてくる「ヘイズ(煙害)」が発生することがあります。空が白く霞んで、ひどい時は喉がイガイガしたり、視界が悪くなったりします。この時期は、大気汚染指数(AQI)をアプリでチェックし、数値が悪い日は外出を控えたり、N95マスクを着用したりするなどの対策が必要です。

 

Q
マレーシアの大気汚染って大丈夫?
A

上の質問でも触れましたが、マレーシアで最も注意すべきなのは、車や工場の排気ガスよりも「ヘイズ(煙害)」です。毎年必ず発生するわけではありませんが、ひどい年には学校が休校になるほどのレベルに達することもあります。KLに住むなら、空気清浄機は必須アイテムと言えるかもしれません。ただ、ヘイズの時期以外は、空も青く、比較的快適に過ごせますよ。

 

②マレーシア転職活動ノウハウ(転職しやすい時期・方法は?)

 

Q
人材紹介会社を利用するメリットは?
A

たくさんありますよ!特に海外転職では、現地の労働市場やビザの最新情報に詳しいプロのサポートは心強い味方になります。あなたのキャリアプランに合った非公開求人を紹介してくれたり、英文レジュメの添削や面接対策、さらには企業との給与交渉まで代行してくれたりします。時には「今はまだ転職しない方が良いかもしれません」と、あなたのキャリアを第一に考えた率直なアドバイスをくれることも。一人で悩まず、まずは相談してみるのがおすすめです。

 

Q
人材紹介会社ではなく、直接企業の案件に応募するメリットは?
A

企業と直接やり取りできるため、会社の雰囲気やカルチャーをダイレクトに感じられるのがメリットですね。コミュニケーションがスムーズに進みやすいですし、採用する企業側から見ても、紹介手数料がかからない分、採用のハードルが少し下がる可能性も考えられます。マレーシアスカウトや求人媒体などで気になる企業を見つけたら、直接アプローチしてみるのも良い方法です。

 

Q
面接はどのような流れで行うのか教えて
A

ほとんどの場合、一次面接はオンラインで行われます。日本や他の国から応募する方が多いですからね。ツールはZoom、Google Meet、Microsoft Teamsが主流です。面接直前に「アプリのインストールが…」「音声が聞こえない…」なんてことにならないよう、事前に必ず接続テストをしておきましょう。二次面接以降は、現地で対面で行う場合もあります。

 

Q
面接で重視されるポイントについて教えて
A

「なぜ海外で働きたいのか?」という問いに、もう一歩踏み込んで「なぜ、数ある国の中でマレーシアなのか?」を自分の言葉で語れるようにしておくことが非常に重要です。「英語が通じるから」「物価が安いから」だけでなく、マレーシアの多文化環境で何を学びたいか、経済成長著しいこの国で自分のスキルをどう活かして貢献したいか、といった具体的なビジョンを伝えられると、面接官に強い印象を残せます。

長期的なキャリアプランと、マレーシアで働くことへの熱意をしっかりアピールしましょう。もし考えをまとめるのが難しければ、プロのキャリアコンサルタントに壁打ち相手になってもらうのも良い手ですよ。

 

Q
英文レジュメは必要ですか?日本の職務経歴書との違いは?
A

はい、絶対に必要です! マレーシアでの就職活動では、英文レジュメ(CV)が標準です。日系企業に応募する場合でも、人事担当者や直属の上司がマレーシア人であるケースがほとんどのため、日本語の職務経歴書だけでは選考に進めません。

日本の職務経歴書のように長々と書くのではなく、A4用紙1〜2枚に簡潔にまとめるのが基本。職務内容は箇条書き(ブレットポイント)を使い、「何を達成したか(Achieved)」を具体的な数字(例:売上を15%向上させた、コストを20%削減した、など)を交えてアピールすると、非常に効果的です。

 

Q
ハイキャリア向けの求人情報をどこで見つけられる?
A

管理職や専門職などのハイキャリア求人は、一般に公開されていないことが多いです。転職エージェントに登録して、非公開求人を紹介してもらうのが最も効率的でしょう。また、ビジネスSNSのLinkedInも非常に有効です。プロフィールを充実させておくと、企業の人事担当者やヘッドハンターから直接スカウトが届くこともありますよ。

 

Q
マレーシアでの面接時に注意すべきポイントは?
A

基本は日本と同じですが、いくつかポイントがあります。まず、服装は清潔感のあるビジネスカジュアルで問題ないことが多いです。そして、時間厳守。マレーシアは時間にルーズなイメージがあるかもしれませんが、面接では日本人の強みである「時間への意識」をしっかり見せましょう。オンライン面接の場合は、日本との時差が1時間(日本の方が1時間早い)ことをお忘れなく!

 

Q
面接での逆質問の仕方について教えて
A

逆質問は、あなたの入社意欲を示す絶好のチャンスです!事前に企業サイトを読み込んで、調べればわかるような質問は避けましょう。「マレーシア人の同僚が多いチームで成果を出すために、どのようなコミュニケーションを心がけるべきですか?」「日本本社との連携はどのように行われていますか?」「現地法人での意思決定の範囲はどのくらいありますか?」など、実際に働く姿をイメージした、具体的で鋭い質問ができると「この人は本気だな」と思ってもらえます。

 

Q
面接は英語で行われる?日本語だけではダメ?
A

応募する企業によりますが、英語での面接があると覚悟しておいた方が良いでしょう。一次面接は日本人担当者で日本語、二次面接はマレーシア人の上司と英語、といったパターンが多いです。日系企業でも、英語力を確認するために一部英語で質疑応答が行われることは珍しくありません。

 

Q
内定から入社までの流れについて教えて
A

オファーレター(内定通知書)を受け取ったら、通常1週間以内に承諾するかどうかを回答します。内定を承諾したら、いよいよ就労パス(ビザ)の申請手続きが始まります。この手続きが完了してパスが承認されないと、マレーシアで働くことはできません。申請から承認までは、スムーズにいけば1〜2ヶ月ですが、時には追加書類を求められたりして3〜4ヶ月かかることもあります。気長に待ちましょう。パスが承認されたら、渡航日を決めて入社、という流れになります。

 

Q
求人企業へ応募する時期の目安を教えて
A

転職活動を開始してから入社まで、トータルで4ヶ月〜半年前後かかることを見越して、早めに動き出すことを強くおすすめします。特に日本や他の国から渡航する場合は、選考だけでなく、ビザ申請や渡航準備にも時間がかかります。まずは転職エージェントに登録して情報収集を始め、良い求人があればすぐに応募できるように準備しておくと、チャンスを逃さずに済みますよ。

 

Q
給与交渉はしてもいい?タイミングと伝え方のコツは?
A

もちろん、問題ありません!海外転職では給与交渉は一般的です。ベストなタイミングは、内定が出て、企業から具体的な給与額が提示された後です。希望額を伝える際は、ただ「もっと欲しい」と言うのではなく、「現在の給与が〇〇であること」「他社からは〇〇という条件でオファーをもらっていること」「自分のこのスキルは、貴社で〇〇という価値を生み出せると考えていること」など、客観的な根拠を添えて伝えると、交渉がスムーズに進みやすくなります。

 

③マレーシアへの渡航準備・手続き(就労パス・ビザは?)

 

Q
採用が決定した後の渡航準備は?
A

内定、そして就労パスの承認、おめでとうございます!渡航に向けて準備することはたくさんあります。まずは、企業と連携して就労パスの最終手続き(シングルエントリービザの取得など)を進めます。それと並行して、住居探し(最初はサービスアパートメントが便利です)、航空券の手配、荷物のパッキング、各種インフラ(銀行、携帯)の情報収集などを進めましょう。マレーシア生活を便利にするアプリ(Grab, Touch ‘n Go eWalletなど)も今のうちにダウンロードしておくと良いですね。やることをリストアップして、計画的に進めていきましょう!

 

Q
労働許可書(就労パス)を取得するためには?
A

申請は企業が行いますが、あなたに準備が求められる主な書類は以下の通りです。

  • パスポートの全ページのスキャンデータ(残存期間が十分にあるか確認!)
  • 英文の最終学歴卒業証明書
  • 最新の英文レジュメ(CV)
  • 証明写真(背景色など指定があるので要確認)

その他、企業によっては健康診断書の提出を求められることもあります。内定先の企業の指示に従って、不備のないように準備しましょう。

 

Q
日本の住民票や国民健康保険はどうすればいい?
A

1年以上の海外滞在が確定した場合、日本の市区町村役場で「海外転出届」を提出し、住民票を抜くのが一般的です。これにより、あなたは日本の「非居住者」となり、国民健康保険の支払い義務もなくなります(同時に保険も使えなくなります)。マレーシアでは会社の医療保険に加入することになるので、保障内容をしっかり確認しておきましょう。

 

Q
日本の住民税について教えて
A

住民税は、その年の1月1日時点で日本に住民票がある人に対して課税されます。つまり、もし年末に渡航を計画しているなら、12月31日までに海外転出届を提出して出国すれば、翌年6月から課される住民税の支払いが免除されます。これは結構大きな節税になりますよ!

 

④マレーシア生活の疑問(押さえておきたいポイントは?)

 

Q
クアラルンプールやその他の都市での生活の違いは?
A

都市によって、全く違う顔を持っているのがマレーシアの魅力です!

  • クアラルンプール(KL):言わずと知れた首都。高層ビルが立ち並び、巨大なショッピングモール、多国籍なレストラン、発達した公共交通機関と、何でも揃うモダンな大都市生活が楽しめます。
  • ペナン島:ジョージタウンが世界遺産に登録されている、歴史と美食の街。のんびりした島時間と都会の便利さが融合しています。ビーチも近く、リゾート感も味わえます。
  • ジョホールバル:シンガポールのすぐ隣。シンガポールへの買い物や通勤も可能な立地で、近年急速に発展しています。物価はKLより少し安めです。
  • コタキナバル(ボルネオ島):雄大なキナバル山と美しい海に囲まれた、自然豊かな街。ダイビングやトレッキングなど、アウトドア好きにはたまらない環境です。

 

Q
マレーシアの日本人街はどこにある?
A

バンコクのスクンビットのような、明確な「日本人街」というエリアはありません。しかし、日本人が多く集まって暮らしているエリアはいくつかあります。その代表格が、クアラルンプールにある「モントキアラ(Mont Kiara)」です。ここは日本人学校へのアクセスが良く、日系のスーパーやクリニック、塾なども揃っているため、特にご家族連れの駐在員に絶大な人気を誇ります。

 

Q
クアラルンプールの日本人居住エリアについて詳しく教えて
A

KLで日本人に人気のエリアは、ライフスタイルによって大きく3つに分かれます。

  • モントキアラ(Mont Kiara)ファミリー層の鉄板エリア。日本人学校のスクールバスがほぼ全てのコンドミニアムを網羅しており、エリア内に日系スーパーや飲食店、学習塾、習い事教室が集中。インターナショナルスクールも多く、国際色豊かです。このエリアだけで生活が完結するほど便利で、治安も良いのが特徴です。
  • KLCC / ブキビンタン周辺都心派の単身者やDINKSに人気。ペトロナスツインタワーのお膝元で、高級ショッピングモールやお洒落なバー、レストランへも徒歩圏内。オフィスへのアクセスも抜群です。家賃は高めですが、都会の刺激的な生活を楽しみたい方におすすめ。
  • バングサ(Bangsar)お洒落で国際的なエリア。洗練されたカフェやブティック、レストランが集まり、欧米人にも人気の高級住宅街です。LRT(電車)の駅もあり、交通の便も良好。少し落ち着いた環境で、質の高い生活を求める方に支持されています。
  • その他(ペタリンジャヤ・アラダマンサラ等): 近年増えているBPO企業やシェアードサービスセンターは、KL市外の「セランゴール州」にあることも多いです。KL中心部から通うと通勤渋滞が大変なので、あえて職場の近く(ペタリンジャヤやアラダマンサラ、サンウェイエリアなど)に住む方も増えています。適度に都会でショッピングモールもあり、家賃もKL中心部より割安で住みやすいですよ。

 

Q
リアルな生活費について、家賃や食費の目安をもう少し具体的に教えてください。
A

かしこまりました!生活費の大部分を占める家賃と食費について、KLでのリアルな肌感覚をお伝えしますね。(1リンギット=33円で計算)

家賃(コンドミニアム)
KLの外国人が住むようなコンドミニアムは、プール・ジム付きが当たり前で非常に快適です。エリアと広さで大きく変わります。

  • 単身者向け(スタジオ or 1ベッドルーム)
    都心部(KLCC、ブキビンタン)なら RM2,500〜4,000(約8.2万〜13.2万円) 少し郊外(モントキアラ、バングサ)なら RM2,300〜3,800(約7.6万〜12.5万円) ※コロナ禍以降、家賃相場は上昇傾向にあり、RM2,000以下の物件はかなり古かったり狭かったりすることが増えています。
  • カップル・家族向け(2〜3ベッドルーム)
    モントキアラやKLCC周辺の人気物件で RM4,000〜8,000(約13.2万〜26.4万円)が中心価格帯です。

食費
どこで食べるかで大きく変わるのがマレーシアの面白いところです。

  • ローカル屋台・フードコート:1食 RM10〜15(約330〜500円)で、安くて美味しいご飯がお腹いっぱい食べられます。
  • ショッピングモールのレストラン:1食 RM30〜50(約1,000〜1,650円)。日本食やイタリアンなど選択肢が豊富です。
  • 自炊:ローカルの食材は安いですが、日本の調味料や輸入品は少し高めです。うまく組み合わせれば、食費はかなり抑えられます。

1ヶ月の生活費は、単身者で家賃込みRM5,000〜7,000(約16.5万〜23万円)くらいあれば、かなり快適な生活が送れるイメージです。

 

Q
マレーシアの交通事情について教えて
A

KLの交通事情は、一言で言うと「車社会で大渋滞、でも公共交通機関も便利」です。特にMRTは新路線(プトラジャヤ線)も開通し、行動範囲がさらに広がっています。

  • 公共交通機関LRT、MRT(電車)、モノレールが市内中心部を網羅しており、渋滞を避けて移動するのに最適です。運賃も安く、旅行者はもちろん、通勤の足として利用する人も多いです。支払いは「Touch ‘n Go」という交通系ICカードが便利。
  • 配車アプリ:タクシーも走っていますが、旅行者には「Grab」の利用を強く、強くおすすめします!アプリで行き先を指定し、料金も事前に確定するので、ぼったくりや遠回りの心配が一切ありません。KL生活の生命線と言っても過言ではない必須アプリです。
  • バス:KL市内中心部を無料で巡回している「GO KL City Bus」は観光に便利ですが、一般の路線バスは路線が複雑で、旅行者や住み始めたばかりの人には少しハードルが高いかもしれません。
  • 自家用車:車がないと不便なエリアもありますが、KL中心部の交通渋滞は世界でもトップクラスに深刻です。朝夕のラッシュ時は全く動きません。駐車場を探すのも一苦労なので、都心部に住むなら車を持たずに公共交通機関とGrabを使いこなすのが賢い選択です。

 

Q
マレーシアで子育てはしやすい?
A

子育てしやすい環境だと言われています。マレーシアの人々は本当に子供が大好きで、レストランやお店の店員さんが子供に気軽に話しかけてくれたり、ぐずっていても嫌な顔一つせずあやしてくれたりします。公共の場で子供が騒いでも、日本ほど肩身の狭い思いをすることはありません。

また、多文化・多言語の環境で育つことで、子供が自然と多様性を受け入れ、英語も身につきやすいという大きなメリットがあります。インターナショナルスクールや日本人学校の選択肢も豊富で、コンドミニアムにはプールやプレイグラウンドが完備されているのが当たり前。子供たちがのびのびと過ごせる環境が整っていますよ。

 

Q
マレーシアはイスラム教国と聞きますが、生活で気をつけることはありますか?(お酒、食事、服装など)
A

マレーシアはイスラム教が国教ですが、多宗教・多文化に非常に寛容な国なので、外国人が過度に神経質になる必要は全くありません。ただ、いくつかのポイントを知っておくと、より快適に、そして敬意をもって生活できますよ。

  • 食事(ハラル)について
    街の多くのローカルレストランやフードコートは「ハラル(Halal)」認証を受けています。これはイスラム教の教えに則って処理された食事という意味で、豚肉やお酒は一切使用されません。一方で、中華系のレストランでは美味しい豚肉料理が楽しめますし、スーパーマーケットでは「Non-Halal」のコーナーがちゃんと分かれていて、そこで豚肉を購入できます。食の選択肢は非常に豊富なのでご安心ください。
  • お酒について
    スーパーやコンビニ、レストランで普通に購入できますし、バーやパブもたくさんあります。ただし、イスラム教国であるため酒税が非常に高く、日本に比べてビールやワインは割高に感じます。家で飲むなら、時々開催されるスーパーのセールを狙うのが賢いですよ!
  • 服装について
    クアラルンプールなどの都市部では、服装は基本的に自由です。ショッピングモールを歩けば、タンクトップやショートパンツ姿の人もたくさん見かけます。ただし、モスク(イスラム教寺院)や政府系の施設を訪れる際は、肌の露出を控えた服装(長袖・長ズボンなど)を心がけるのがマナーです。モスクでは、訪問者用にローブを貸し出してくれるところがほとんどです。
  • ラマダン(断食月)について
    年に一度、約1ヶ月間、イスラム教徒の方々は日の出から日没まで断食をします。この期間中、ムスリムの同僚への配慮(目の前で飲食しないなど)は大切ですが、非ムスリムは普通に食事をして大丈夫です。むしろ、日没後には「ラマダン・バザール」という屋台街が各地に出現し、美味しいマレー料理がお手頃価格で楽しめる、食いしん坊にはたまらないお祭りのような期間になりますよ!

 

Q
医療制度はどうなっていますか?病気や怪我をした時が心配です。
A

マレーシアの医療、特に私立病院のレベルは非常に高いのでご安心ください。東南アジアの中でもトップクラスで、メディカルツーリズム(医療目的の渡航)で訪れる外国人も多いほどです。

  • 公立病院と私立病院
    マレーシアには国民向けの安価な公立病院と、サービスの質が高い私立病院があります。私たち外国人は、基本的に私立病院(Private Hospital)を利用します。施設はホテルのように綺麗で、最新の医療機器が揃っており、医師や看護師の多くは英語が堪能です。日本語通訳が常駐している大きな病院(例:HSCメディカルセンター、プリンスコート・メディカルセンターなど)もあり、安心して受診できます。
  • 医療保険
    会社に就職すると、ほとんどの場合、会社負担の医療保険に加入します。この保険証(メディカルカード)を病院の受付で見せれば、キャッシュレスで診察や薬の処方を受けられるので非常に便利です。ただし、歯科治療や持病、保険の上限額など、カバー範囲は会社によって異なるので、入社時にしっかり確認しておくことが重要です。

 

Q
銀行口座の開設や、お金の管理はどうすればいいですか?
A

マレーシアでの生活を始める上で、銀行口座の開設は必須ですね。

  • 銀行口座の開設
    就労パス(Employment Pass)が取得できれば、外国人でも銀行口座を開設できます。 ただ近年、マネーロンダリング対策で審査が厳格化しています。パスポートや就労パスに加え、「会社からの口座開設依頼レター(Company Letter)」が必須だったり、指定された支店でしか手続きできなかったりと、少しハードルが上がっています。 Maybank、CIMB Bankなどが大手ですが、入社後に会社の人事担当に最新の流れを確認し、サポートしてもらうことを強くおすすめします。会社の人事担当者がサポートしてくれることも多いですよ。
  • キャッシュレス決済
    マレーシア、特にKLは驚くほどキャッシュレス化が進んでいます!Touch ‘n Go eWallet」や「GrabPay」といったスマホのQRコード決済が、屋台からショッピングモールまで、あらゆる場所で使えます。現金がなくてもスマホさえあれば生活できるほど便利なので、マレーシアに来たらすぐにアプリをダウンロードすることをおすすめします。
  • 日本へ/からの送金
    日本の銀行から海外送金するより、Wise(旧TransferWise)などのオンライン海外送金サービスを利用する方が、手数料が格安でスピーディーなので断然おすすめです。多くの在住者が利用しています。

 

Q
マレーシア独特の英語(マングリッシュ)があると聞きました。コミュニケーションは大丈夫?
A

はい、その通りです!マレーシアには「マングリッシュ(Manglish)」と呼ばれる、マレー語や中国語の影響を受けたユニークな英語表現があります。

例えば、文末に「〜lah(〜だよ)」「〜mah(〜でしょ)」と付けたり、肯定を意味するのに「Can can!(できるできる!)」と言ったりします。最初は少し戸惑うかもしれませんが、心配は無用です。ビジネスの場や外国人に対しては、皆ちゃんとスタンダードな英語を話してくれますので、コミュニケーションに支障はありません。

むしろ、ローカルの同僚と仲良くなってくると、彼らが使うマングリッシュがだんだん分かってきて、自分でも使ってみたくなりますよ(笑)。「OK lah!」なんて言えるようになれば、あなたも立派なマレーシア通です!これは言語の壁というより、現地に溶け込むための楽しいスパイスのようなものだと捉えてください。

 

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