「マレーシアに移住が決まったけれど、家はどうやって探せばいいの?」
「現地の家賃相場や、日本とは違う契約ルールが知りたい」
このように考えることはありませんか?
KLの賃貸は、日本の3分の1の家賃でプール・ジム付きの物件に住めることが多い一方で、日本とは違う商習慣やトラブルも起こります。
この記事では、実際にマレーシアで数回の引越しを経験した筆者が、マレーシアの賃貸物件探しの手順から、失敗を防ぐためのチェックポイントまでを紹介します。
【日本とはここが違う】マレーシアの家賃事情

KLの街並み *筆者撮影
日本との違いを知っておくと、マレーシアで部屋を借りる際に便利です。物件を探すときの常識や家賃相場などのマレーシア家賃事情について、下記のことを実際に見ていきましょう。
- 建物の呼ばれ方と特徴について
- 物件のFurnishedタイプを考える
- スクエアフィート(物件の広さ)を重視する
- 物件の相場を知る
建物の呼ばれ方と特徴について

KLのコンドミニアム。このような高層階のコンドミニアムが一般的です。*筆者撮影
多くの日本人に人気の物件は、コンドミニアムです。セキュリティがしっかりしており、プールやジムなど共用施設も充実しています。
ただし、一見コンドミニアムに見えても、実際には「コンドミニアム」と「サービスアパートメント」の2種類があります。
- 居住者自身が生活を管理する住宅
- 共用施設は充実している
- 清掃やリネン交換、フロント対応などのサービスは基本的にない
- 住宅機能に加え、フロント対応、清掃、リネン交換などホテルに近いサービス付き
- 短期〜中期滞在の方に人気
- 家賃は高め
家を探す中で、どちらに当てはまるのかを意識することは大切です。
ただ、地元の友人がコンドミニアムを「サービスアパートメント」と呼んでいたり、不動産会社のエージェントも同様の表現をしていたりしたことがありました。
クアラルンプールでは呼び方が混在しているため、契約前に「本当にコンドミニアムかサービスアパートメントか」を確認しましょう。
物件のFurnishedタイプを考える

Fully Furnishedの一例
マレーシアのコンドミニアム(高級マンション)賃貸は、内装の充実度によって大きく3つのタイプに分かれます。
Fully Furnished(フルファーニッシュ)
- ベッド、ソファ、ダイニングテーブル、冷蔵庫、洗濯機、カーテン、エアコンなどが完備
- スーツケース一つですぐに生活が始められる
Partially Furnished(パートリーファーニッシュ)
- エアコン、キッチンキャビネット、カーテンなど最低限の設備のみ
- 大型家具は自分で購入する必要がある
Unfurnished(アンファーニッシュ)
- 照明器具やキッチンもほぼないに等しい状態
- 主に長期居住を前提とする方や自分用の家を購入する人向けの物件
見知らぬ土地で家具を揃えたり、照明やエアコンを設置したりするのはストレスがかかりますので、日本人駐在員にはFully Furnishedが人気です。
スクエアフィート(物件の広さ)を重視する

KLの街並み(コンドミニアムがあちこちに立ち並んでいる様子がわかります)*筆者撮影
日本では畳や㎡表記が一般的ですが、マレーシアではスクエアフィート(sqft)表記が主流です。
マレーシアで物件を選ぶ際は、日本のように「何LDK」や「何畳」で考えるのではなく、「スクエアフィート(sqft)」という面積の広さが重視されます。
不動産エージェントからも「どれくらいのスクエアフィートを探していますか?」と聞かれますが、目安は下記のとおりです。
事前に理想とする広さの目安を知っておくことで、物件探しの際に焦らず、スムーズに希望条件を伝えられます。
物件の相場を知る

大型のショッピングモールが下に隣接されているタイプのコンドミニアム *筆者撮影
マレーシアの物件相場は、下記のとおりです。
マレーシアの家賃相場(目安|1RM=38円換算)
- 単身向け(スタジオ〜1ベッドルーム)
RM1,800〜RM3,000(約6万8,000円〜11万4,000円) - 夫婦・カップル向け(2ベッドルーム)
RM2,500〜RM4,500(約9万5,000円〜17万1,000円) - ファミリー向け(3ベッドルーム以上)
RM3,500〜RM6,000(約13万3,000円〜22万8,000円)
※日本円表記は、1RM=38円で換算した参考目安(2025年12月31日)です。
「一見高い」と感じる方も少なくありませんが、プールやジムがついたコンドミニアムであることを考えるとリーズナブルです。
クアラルンプール近郊の日本人に人気のエリア5選

チェラス近郊の夜市の様子 *筆者撮影
クアラルンプール内や近郊で、日本人居住者が多く、生活の利便性が高いと感じられやすいエリアは下記の5つです。
モントキアラ(Mont Kiara)
KL中心部から車で約20分の高級住宅街。日本人駐在員が多く、日系スーパー・日本人学校・クリニックも揃う。車移動必須だが、エリア内だけで生活が完結する利便性の高さが魅力です。
【特徴】
・日本人駐在員の聖地
・治安良好
・車移動必須だが生活は便利
バンサー/バンサーサウス(Bangsar/Bangsar South)
欧米系駐在員や富裕層に人気。カフェやバーが多く、おしゃれな雰囲気が漂います。LRT駅にも近く、車なしで通勤可能。現地の多様な文化に触れたい人におすすめだと感じます。
【特徴】
・洗練された雰囲気
・LRT利用可能
・日本人コミュニティは少なめ
アラダマンサラ/スバンジャヤ(Ara Damansara/Subang Jaya)
中心部からやや離れた落ち着いた住宅街。家賃は中心部より安く、広く新しい物件が多いのが魅力です。LRTやショッピングモールも充実しており、生活の便利さを重視する方に向いています。
【特徴】
・家賃が中心部より安め
・広く新しい物件多数
・LRT・ショッピング便利
チェラス/タマンデサ(Cheras/Taman Desa)
中華系マレーシア人が多く住む下町エリア。美味しい中華料理や夜市が多く、ローカル感あふれる雰囲気が楽しめます。家賃も比較的安く、MRTで中心部へのアクセスも向上しており、現地に溶け込んだ生活をしたい方におすすめです。
【特徴】
・ローカルフード豊富
・下町情緒あふれる雰囲気
・家賃安め
職場の場所やライフスタイルに合わせてエリアを選びましょう。
失敗しない物件の探し方

KLの街並み *筆者撮影
クアラルンプールで物件を探す場合、エージェント(仲介業者)を通すのが一般的ですが、大きく分けて次の2つの方法があります。
ポイントは、下記のとおりです。
- 初めてのマレーシア生活では、日本人向け仲介を利用すると安心
- 慣れてきたら現地エージェントで選択肢を広げるのもあり
- 誰に相談すればいいか分かる状態で契約することが大切
ではそれぞれ詳しくみていきましょう。
現地エージェントの特徴

KLには色々なデザインのコンドミニアムがあります。新しいコンドミニアムもどんどんと建設されています。
現地のエージェントと直接やり取りする場合のメリットとデメリットは、下記のとおりです。
現地事情に慣れていない状態でエージェントと直接やり取りをすると、知らないうちに不利な条件で契約する可能性があります。
「英語での細かいニュアンスの誤解」や「契約条件の理解不足」の問題があるからです。
さらにエージェントの質に大きなばらつきがあるため、良いエージェントと出会うまでが大変です(友人の中には、良いエージェントに出会えず住みたい家を諦めた人もいます)。
現地エージェントは必ずしも危険ではありませんが、マレーシア生活に慣れていない場合、次のことを考慮した上で決定しましょう。
日本の不動産会社・日本人向け仲介会社の特徴

マレーシアの高速道路 *筆者撮影
日本の会社・日本人向けの仲介会社に依頼する場合の、メリットとデメリットは下記のとおりです。
海外生活が初めての方や、英語・中国語・マレー語に不安がある方にとって、日本語で理解できることの「安心感」は大きいです。
特に初めての賃貸契約では、多少選択肢が絞られたとしても、トラブルを避けられるとストレスを減少できます。
クアラルンプール物件の探し方の流れ

KLの街並み *筆者撮影
自分でエージェントとやり取りする場合、基本的にはWEBサイトで物件を探し、エージェント(仲介業者)に連絡を取ります。
マレーシアで主流のポータルサイトは、下記の2つです。
ではそれぞれのステップを紹介します。
Step1:ネットで家を探す
「Fully Furnished」「RM2000〜RM3000」「エリア」などと条件を絞って検索します。
気になる物件があれば、サイトのWhatsAppボタンからエージェントに連絡します。
友人によると、出たばかりの物件ほど早く契約されるのだそうです。古い情報は「訳あり物件」の可能性もあります。
Step2:内見にいく
エージェントとアポイントを取り、実際に部屋を見に行きます。写真と実物が違うことは日常茶飯事なので、必ず現地を確認してください。1人のエージェントにお願いすれば、そのコンドミニアム内の他の部屋や近隣の物件もまとめて案内してくれることが多いです。
Step3:予約金(Booking Fee)の支払い
住みたい部屋が決まったら、「Booking Fee(通常、家賃1ヶ月分)」を支払い、部屋を押さえます。これは後の「手付金」の一部となります。この段階で、オーナーへの要望を伝えましょう。例えば「エアコンをつけて欲しい」「ペンキを塗り直して欲しい」などを交渉します。
Step4:契約締結と初期費用の支払い
「Tenancy Agreement(賃貸借契約書)」にサインをし、残りの初期費用を支払います。マレーシアの初期費用の内訳は「家賃2.5ヶ月分前後」が一般的です。
【マレーシア賃貸の初期費用目安】
- Security Deposit(敷金):家賃2ヶ月分(退去時に返還)
- Utility Deposit(光熱費デポジット):家賃0.5ヶ月分(退去時に返還)
- Advance Rental(前家賃):家賃1ヶ月分(最初の月の家賃)
- Tenancy Agreement Fee(契約書作成費):家賃の20〜30%程度(借主負担)
合計で、家賃の約3.5〜4ヶ月分が必要になります。
現金での支払いか、銀行に直接振り込むか支払い方法を確認してください。
Setp5:鍵の引き渡しと入居チェック
鍵を受け取り、入居します。ここで最も重要なのが「インベントリーリスト(備品リスト)」のチェックです。
入居する際は、家具の傷や家電の動作不良がないかを入念に確認し、写真に撮ってエージェントに送付しましょう。
これを怠ると、退去時に自分のせいにされ、デポジットから引かれる可能性があります。
よくあるトラブルと対策

マレーシアの賃貸生活は、日本の常識が通じないことのほうが多く感じます。
私が実際に経験したり、周囲で見聞きしたトラブルと対策を共有します。
水回りのトラブルは「ある」ものと思う

新築の高級コンドミニアムでも、水漏れ、トイレの詰まり、シャワーの水圧不足はよく起こります。
高級コンドミニアムに住んでいる友人から「自分の家のトイレに、上の階の人が流したラーメンの麺が流れてきた」と言う話を聞いたことがあります。
水漏れしていないか、水圧は十分か、排水はきちんと流れるか確認してください。
また、天井や窓周辺に水漏れのシミがないかもチェックしましょう。これらは、友人のアドバイスを参考にしたチェックポイントです。
オーナーによって対応が異なる

コンドミニアム *筆者撮影
オーナーによって対応が異なるため、日本人の感覚からすると「誠実に対応してもらえない」と感じる場合があります。
例えば、エアコンが壊れた時、すぐに対応してくれるオーナーもいれば、反応が遅れる(もしくは反応が薄い)オーナーもいます。
契約書に「修理費用の小額負担(例:RM150以下は借主負担、それ以上はオーナー負担)」の条項があるか確認することも大切です。
「外交官条項」を入れる

公共機関を利用したい方は、MRTやLRTの駅周辺のコンドミニアムを検討すると便利です
「外交官条項」を契約に入れることは、駐在員にとって必見です!
急な帰任や転勤が決まった場合、契約期間途中での解約は違約金が発生します。
「会社の辞令による帰国等の場合は、2ヶ月前の通知で違約金なしで解約できる」という特約です。これは駐在員にとって必須の交渉事項です。
マレーシアの快適な生活は物件選びにかかっている!

KL市内を走る高速道路。人気エリアであるTTDIの表示も! *筆者撮影
マレーシアでの賃貸物件探しは、日本と異なりますが、素晴らしい物件に出会えるチャンスも豊富です。
夜景を満喫したり、プールサイドで週末を過ごしたりするコンドミニアムでの生活や、いろいろな文化に触れたりすることは日本ではなかなか経験できないものです。
マレーシアの生活を満喫するためにも、「エリア選び」「信頼できるエージェント」「契約書の確認」の3つが欠かせません。
安心して物件探しをするためにも最初のエージェントは、日本の会社を選ぶことも1つの方法です。
*写真は全て本人が撮影したものです。



