【2026年最新】マレーシア就労ビザ(EP)の給与基準が改定!日本人現地採用への影響は?新カテゴリー条件を徹底解説

マレーシア生活

マレーシアで外国人が長期就労するために必要なビザを「Employment Pass(エンプロイメント・パス)」、略して「EP」と呼びます。

2026年6月1日に、EPが大幅変更しました。

この記事では、EPの最大の変更点「最低給与ラインの引き上げ」と、それに伴うカテゴリーごとの違いについて解説します。

就労ビザ(EP)の3つのカテゴリーと新旧比較

マレーシアの就労ビザ(EP)は、3つのカテゴリーに分かれています。

まずは、3つのカテゴリーの変更箇所をまとめました。

Category 旧給与基準(20266月以前) 新給与基準(2026年6月1日以降) 滞在期間
Category I(役員・トップマネジメント層) RM10,000以上(約35万円以上) RM20,000以上(約70万円以上) 最長10年
Category II(マネージャー・中堅専門職) RM5,000〜RM9,999(約17.5万〜35万円) RM10,000〜RM19,999(約35万〜70万円) 最長10年
Category III(技術職・事務職・若手ポジション) RM3,000〜RM4,999(約10.5万〜17.5万円) RM5,000〜RM9,999(約17.5万〜35万円) 最長5年

※日本円は2026年8月時点の為替レート(1RM=約35円)をもとに換算した目安です。為替相場の変動により、実際の金額とは異なる場合があります。

これまで、日本人が現地採用として働く場合は「月給RM5,000(カテゴリー2)」が実質的なボーダーラインでした。

しかし、新ルールでは同じ月給RM5,000でも「カテゴリー3」の扱いとなります。

【新規申請だけでなく「更新」も対象】

  • この新ルールで最も注意すべき点は「2026年6月1日以降に提出される新規・更新申請の両方」から適用されるということです。
  • つまり、現在「カテゴリー2で月給RM7,000」で働いている日本人の方は、次回の更新時に給与がRM10,000に達していなければ、カテゴリー3として扱われる、あるいは条件を満たさず更新できない可能性があります。

参考データ(公的機関): マレーシア入国管理局 ESD(Expatriate Services Division)公式サイト

※当事務局スタッフでも、在馬(マレーシア)現地人材紹介会社や進出コンサル企業に就労ビザ取得状況についてヒアリングを行いました。
マレーシアで最も多いBPOや技術職・事務職・若手ポジションにおいても日本人(外国人)の給与水準は元より新給与基準のRM5,000以上よりも高いことから、現時点では給与要件引き上げによる就労ビザ取得が遅延、否認されるような影響は出ていないとのことでした。(2026年8月時点ヒアリング)。マネージャー・管理職レベルでも、現時点では(不当に相場より給与が低い求人でない限り)給与要件引き上げによる影響は感じていないとのことでした。

マレーシア就労ビザ(EP)3つのカテゴリーの違いと新旧比較表

マレーシアの移住を本格的に考えるにあたり、カテゴリー1〜3までどのような違いがあるのか、それによって家族がどのように影響を受けるのか気になることでしょう。

ここでは3つのカテゴリーの違いについて表にまとめ、解説します。

日本人が気になるポイント Category I Category II Category III
対象となる人 役員・経営層・高度専門職 管理職・専門職 技術職・若手社員・一般事務など
基本給(月額) RM20,000以上(約70万円以上) RM10,000~19,999(約35万~70万円) RM5,000~9,999(約18万~35万円)
最長滞在期間 最長10年 最長10年 最長5年
ビザ更新 更新可能 更新可能 更新可能(合計5年まで)
配偶者と一緒に住める ○(2026年6月から可能)
子どもと一緒に住める ○(2026年6月から可能)
子どものビザ Dependent Pass Dependent Pass Dependent Pass
インターナショナルスクールに通える
私立学校に通える
公立学校への入学申請 ○(条件あり) ○(条件あり) ○(条件あり)
人材育成・技能移転計画(Succession Plan) 不要 必須 必須
政府が想定している人材 長期的に必要な高度外国人材 技術や知識を現地へ引き継ぐ専門人材 将来的な人材育成・技術移転を担う人材

※日本円は2026年8月時点の為替レート(1RM=約35円)をもとに換算した目安です。為替相場の変動により、実際の金額とは異なる場合があります。 

カテゴリー3でも「家族帯同」が可能に!

引用:pexels

これまで、Category 3のEPでは配偶者や子どもの帯同には制限がありました。
しかし、2026年6月1日以降に提出される新規EP申請では、Category 3でも配偶者や子どもの帯同(Dependent Pass申請)が可能となりました。

これにより、月給RM5,000〜RM9,999の層でも、家族と一緒にマレーシア移住を実現しやすくなるという大きなメリットが生まれました。

ただし、Dependent Passの取得には別途申請が必要であり、その他の条件については申請時に確認が必要です。

カテゴリー別に求められていることとは?

マレーシアKLCC付近。たくさんのオフィスが入っている場所でもあります。

カテゴリーは、収入や役職とは別にそれぞれに求められていることが異なります。

マレーシアで仕事をする上で今後どのようなキャリアを築いていきたいのかを考えながら、目標とするカテゴリーを決められるでしょう。

Category こんな人におすすめ
Category I 駐在員や経営層、高度専門職として長期間マレーシアで活躍したい人
Category II 現地採用で専門職・管理職としてキャリアを築きたい人
Category III 若手社員や技術職としてマレーシアで経験を積みたい人。2026年6月から家族帯同も可能となり、子育て世帯にも利用しやすいカテゴリーになりました。

上記の表は、マレーシア政府が外国人にどのような役割を期待しているかを示す区分です。

給与や役職によってカテゴリーが決まり、それに応じて滞在期間や企業に求められる条件が異なります。

例えば、Category 1は長期間の活躍が期待される高度人材Category 2・3では、専門知識や技術の共有を通じて、マレーシア人材の育成に貢献する役割も期待されています。

【改訂から分析】マレーシア政府が外国人材に求めていることとは?

マレーシア政府は「Ekonomi MADANI」「第13次マレーシア計画(2026〜2030)」などを通して高付加価値産業への転換やAI・デジタル分野の強化を進めています。

実際に、10年前と比べ、都市交通やデジタルサービスなど生活インフラも大きく変化しています。

Employment Passの制度改正も、その一環として実施された政策の1つだと言えるでしょう。

カテゴリーの改訂は、外国人材の受け入れを制限するためだと断定することはできません。

高度な知識や技術を持つ人材を受け入れながら、マレーシア人材の育成や産業競争力の向上につなげることが伺えるでしょう。

2027年導入予定の「サクセッションプラン」

 

「マレーシア人材の育成や産業競争力の向上」に伴って理解しておきたいのは「サクセッションプラン(人材育成・技能移転計画)」です。

【「サクセッションプラン(人材育成・技能移転計画)」とは?】
・外国人材が持つ専門知識や業務ノウハウを、将来的にマレーシア人材へ共有・移転していくための育成計画です。
・当初は2026年6月からの導入が予定されていましたが、現時点では2027年1月頃からの適用に変更・検討されています。

サクセッションプラン(人材育成・技能移転計画)」が導入されると、カテゴリー2および3で採用される人は「現地のスタッフを教育し、スキルを移転すること」が求められるようになります。

企業選びの際は、こうした人材育成に理解があり、体制が整っている会社を選ぶことが重要となってくるでしょう。

就労ビザ申請は難しい?学歴・職歴と審査難易度

自分の学歴や経歴がビザの申請にどのような影響が出るのか気になるところです。

基本は「大卒以上かつ3年以上の関連業務経験」としているものの、それが全てではありません。また、カテゴリーごとによって審査の難易度も多少変わってくるでしょう。

この項目では、審査の基準や難易度についてまとめました。

学歴や関連業務経験

マレーシア政府は自国民の雇用を守るため、外国人には一定以上のスキルを求めています。一般的には、学歴や関連業務経験が審査項目として確認されます。

中卒や高卒での申請は基本的に難しい傾向にあるとはいえ、学歴が絶対ではありません。

一部の職種では、就業経験が3年未満や大卒未満でも、企業側の強力なサポートによってビザが下りることもあります。

カテゴリーによる審査難易度の違い

2026年6月以降、カテゴリー3では、外国人材を採用する必要性や職務内容について、より慎重に確認される傾向があります。

カテゴリー1や2は「学歴・職歴と職務内容が合致していれば通りやすい」のに対し、カテゴリー3は「なぜその外国人を雇う必要があるのか(マレーシア人ではダメな理由)」を詳細に説明する職務内容説明書の提出が必須となるからです。

「サクセッションプラン(育成計画)」に相応しい人材かチェックしたいというマレーシア側の気持ちも理解できます。

実務経験年数やスキル証明がより厳しく確認されるため、企業側の手続き負担が大きく、承認スピードも遅めになる可能性があるでしょう。

2026年の制度改定で今後予想される影響と注意点

2026年6月に基準が大幅に改定されたことにより、しばらく落ち着かない状態が続くことが予想されます。

たとえば、今まで申請に向けて準備を進めてきた方や企業にとっては「また1からやり直し」という状況になりかねません。

実際に、私の周囲でも2026年夏頃のマレーシア移住に向けて準備を進めている方がいます。

しかし、当初予定していたスケジュール通りに進めることが難しい状況もあるようです。

焦らず、正確な情報を見極めながら準備を進めることが重要です。

就労ビザ申請から取得までのステップと必要書類

引用:Pixabay

実際にマレーシアの企業から内定をもらった後、どのようにしてビザが発給されるのか、具体的な手順と必要な書類について解説します(基本的に申請作業は「企業側」が行います)。

内定から就労ビザ取得までの5ステップ

ステップ 内容 主に行う人
1. 企業がESD登録・外国人採用の準備 受け入れ企業がマレーシア移民局のESD(Expatriate Services Division)に登録し、外国人雇用に必要な準備を行います。EP申請は本人ではなく、基本的に雇用する企業側が進めます。 企業(HR・人事担当者)
2. Employment Pass(EP)の申請 企業がESDシステムを通じて、申請者の情報、雇用契約書、必要書類などを提出します。職種や業種によっては、関連機関からの承認が必要になる場合があります。 企業
3. 審査・Approval Letter(承認通知)の発行 提出された情報をもとに審査が行われ、承認されるとEmployment PassのApproval Letterが発行されます。 マレーシア移民局・関係機関
4. 必要に応じて入国手続きを行う 国籍や状況によって、入国前に必要なビザ手続きを行います。承認書類をもとに、必要な入国許可を取得します。 本人・企業
5. 入国後、Employment Passが発行される マレーシア入国後、必要な確認手続きを完了すると正式なEmployment Passが発行されます。現在は従来のパスポート貼付型だけでなく、ePASSによる電子管理も導入されています。 移民局・本人

注意点:
・マレーシアのEmployment Pass(EP)申請は、基本的に本人が単独で行うものではなく、採用する企業が主体となって進めます。
・求職者は英文履歴書、卒業証明書、職務経歴書など必要書類を準備し、企業のHR担当者と連携しながら手続きを進める流れになります。

準備すべき必要書類】

  • パスポートの全ページカラーコピーパスポート(残存有効期間については企業の指示を確認)
  • 証明写真カラー2枚(背景色の指定を企業に確認してください)
  • 英文の履歴書・職務経歴書
  • 大学などの卒業証明書(英文)
  • 成績証明書(英文)
  • 雇用契約書(企業から発行されるもの)

参考資料:
・マレーシア入国管理局(Immigration Department of Malaysia)Employment Passhttps://www.imi.gov.my/

・Expatriate Services Division(ESD)Employment Pass / MYXpats
https://esd.imi.gov.my/portal/

書類に不備があると審査が長引く原因になるため、企業のHR(人事)担当者の指示に従い、正確に準備しましょう。

最新ルール下でのマレーシア生活

マレーシアのコンドミニアム

「マレーシアでの新しい生活はどのようなものになるのだろう?」

「みんなどんな場所に住んでるの?生活費は?」

など気になることでしょう。

もちろん、各個人や家庭によって住むエリアや場所は異なりますが、多くの方はセキュリティがしっかりしているコンドミニアムに住むことを選択しています。

クアラルンプールでは、日本(東京圏)と比べて広いコンドミニアムを比較的手頃な価格で借りられます。

ただし、KLCCやモントキアラなど都心の人気エリアでは、家具付き・セキュリティ付きの物件の場合、月RM3,000〜4,000(約10万〜14万円)程度を見ておくと安心です。

※日本円は2026年8月時点の為替レート(1RM=約35円)をもとに換算した目安です。為替相場の変動により、実際の金額とは異なる場合があります。 

生活費の目安や物件選びについては下記の記事も参考にしてください。

最新情報を把握してマレーシア就職を成功させよう

引用:Pixabay

2026年のマレーシア就労ビザは、給与要件の引き上げや家族帯同の緩和など、かつてない転換期を迎えています。

審査のハードルは上がっていますが、正しい知識と準備があれば、計画を立てることは可能です。

自分がどの方向からキャリアを積みたいのか、マレーシアでどのような経験をしたいのかイメージしながらプランを進めましょう。

2030年に向けて大きく成長しようとしているマレーシアの企業で働くことは、人生やキャリアにとって大きな経験となるでしょう。

この記事を書いた人
Mako

マレーシア・日本 2拠点生活 15年目

マレーシアの地方での長期滞在を経て、現在はマレーシアの都市を拠点に活動中。
「田舎のローカル生活」と「都市の最新トレンド」の両面を熟知しているのが強みです。

多民族国家ならではの「多様性を尊重する文化」に15年間触れ続け、現地の人々の寛容なマインドセットを肌で感じてきました。

観光ガイドには載っていない、長年の在住経験に裏打ちされた「マレーシアのリアルな空気感」と「生活者の視点」をお届けします。

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