「マレーシア現地のビジネスシーンではどんな服装が正解なのか?」
「常夏の国だから半袖でいい?」
「面接でもスーツは着ないの?」
「NGファッションは?」
マレーシアへ出張予定の方や転職を考えている方の中には、上記のように考える方もいらっしゃるでしょう。
マレーシアは文化背景や気候が日本と異なりますので、ビジネスでの服装は気になりますよね。
この記事では、気候に合わせた快適な着こなしから、公式の場でのマナー、多民族国家ならではの注意点を紹介します。
マレーシアのビジネス上の服装で迷っている方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
【文化と気候のギャップ】マレーシアのビジネス服装の基本

マレーシアクアラルンプールの街並み。こういった高い建物に会社が入っています(撮影Mako)
マレーシアのビジネス上の服装は、日本に比べると非常にカジュアルです。また、民族衣装を積極的に取り入れています。
この項目では、それらを念頭に置き、下記のことを紹介します。
基本はスマートカジュアル

KLCC。ビジネスの中心地でも比較的カジュアルな格好をしている人が多いです。
マレーシアのビジネスシーンでは、日本のようなカッチリとした上下揃いのスーツを着る機会はめったにありません。
基本となるドレスコードは、日本人にとっての「スマートカジュアル(オフィスカジュアル)」です。
一般的なスタイルを、下記にまとめました。
- 【男性なら】襟付きのシャツにスラックスやチノパン
- 【女性なら】ブラウスに膝下丈のスカートやきれいめのパンツスタイル
マレーシアは一年を通した暑く、外を歩けばすぐに汗ばむ気候です。
ネクタイを締めている人は日系企業の駐在員で重要な商談があるときか、銀行の窓口業務など一部の職種に限られます。
基本的にはノーネクタイで問題ありません。私は、ビジネスの場でネクタイをしている人をほとんど見たことがありません。
冷房対策が必須

引用:pexels
マレーシアのビジネスの場では、冷房対策が必須です。具体的には下記の対策がおすすめです。
- 半袖に羽織れるもの(ジャケットやカーディガンなど)を持参する
- 脱ぎ着しやすい服装をする
マレーシアの気候は一年中気温が30度を超える常夏ですが、ビジネスウェアを考える上で最も重要なのは「室内の冷房対策」です。
マレーシアのオフィスビルやショッピングモール、電車(LRTやMRT)の中は、まるで冷蔵庫の中にいると感じるほどに冷え切っています。
ホテルの部屋の基本設定は、16〜18度であることも少なくありません。
部屋の温度設定が低いことの文化的な背景は、下記のとおりです。
マレーシアは常夏なので、暑い中来てくれた訪問客に対して、できるだけ室内を冷やして快適に過ごしてもらいたいという歓迎の気持ちが込められています。
ただし、とても冷えているので、汗ばんだ状態で室内に入ると、風邪をひく可能性も否定できません。
それで、羽織ものを準備し、脱ぎ着しやすい服装であることが、マレーシアで快適に働くための第一条件です。
日系・外資系・ローカル企業での違い

引用:Pixabay
マレーシアには様々な国の企業が進出しており、次のように所属する企業文化によって服装の自由度が大きく異なります。
- 【日系企業の場合】クールビズの延長のような比較的きちんとしたオフィスカジュアルが求められることが多い
- 【欧米系の外資系企業やIT系のローカル企業】非常にカジュアルで、Tシャツにジーンズ、スニーカーで出社OKという職場も珍しくない
実際に、私がマレーシアでビジネスの服装に関して経験したことをまとめました。
【エピソード1】
私たち夫婦がマレーシアで住む家の契約のためにエージェント(不動産会社)の担当者と会ったときのことです。
担当者は内見の日、初対面のときでこそポロシャツに長ズボンといった服装でしたが、契約当日となるとTシャツに短パンといったカジュアルすぎるともいえる服装でした。
【エピソード2】
とある会社経営者と一緒に昼食をとったときのことです。
「仕事を抜けてきた」と言っていた彼の服装もとてもカジュアルで、てろっとしたTシャツにチノパンでした。あまりにも普段着のような格好だったので「本当に会社を経営していろんな場所を飛び回ってるの?」と言いたくなるほどでした。
ローカル企業の場合、カジュアルな服装でも問題ないようです。
マレーシア人のエージェントと転職活動の際は、面接を通してその会社の社員がどのような服装で働いているかを観察してください。
入社後の自分の服装として、参考にできるでしょう。
民族衣装を積極的に取り入れる
マレーシアではバティックという伝統的な布で作られたシャツやスカートの民族衣装があります。男性ならバティックシャツを着る、女性ならスカートや小物でバティックを取り入れるなどをすると、マレーシア人は喜んでくれるでしょう。
日本の着物よりも日常生活に浸透しているため、普段からビジネスや公式の場、パーティーや結婚式などの場で正装として親しまれています。
マレーシアでは、毎週金曜日(最近では木曜日も)を「バティックシャツやスカートの着用を推奨する日」としている企業も多くあります。
ビジネスの服装としてバティックのものを取り入れると「そのバティックいいね」「素敵な色だね」と声をかけてもらいやすく、話の幅も広がります。
特に下記の人におすすめです。
- 何を着て行ったら良いか分からないと悩んでいる方
- コミュニケーションの取り方で悩んでいる方
バティックシャツやスカートを着ていると、みんなの輪に入りやすくなるでしょう。
マレーシア生活に慣れてくると「ネクタイをしないので楽」「新しいバティックを買うのが楽しみ」と、バティックの魅力にハマってしまう人も多いようです。
バティックシャツやスカートなどを販売しているオンラインストアも、かず多くあります。
例えば、Batik Malaysiaは、伝統的なバティックを取り扱っていますのでビジネスの場や公式な場にもピッタリです。またモダンでスタイリッシュなデザインが好きな方には、Kapten Batik (カプテン・バティック)も人気です。
雨とトイレ事情を考慮した足元事情:通勤時の工夫

靴に関しては、男性は革靴、女性はパンプスやきれいめのフラットシューズが基本です。
ただし、マレーシアは突然のスコールが多く、道路の舗装も日本ほど完璧ではない場所も少なくありません。
お気に入りの革靴やヒールで外を歩くとすぐに傷んでしまうため、現地で働く多くの人は下記の方法を実施しています。
これは非常に合理的とも言えるでしょう。
また、これに加えて、マレーシアのトイレの床が濡れていることが多いため「トイレを使用する際に靴が汚れないか」という観点から靴を選ぶことも大切です。
マレーシアのトイレ事情に関する記事は、下記も参考にしてください。
宗教と多民族国家ならではの服装ルール

クアラルンプールの街並み(Mako撮影)
マレーシアと日本で大きく異なる点は、下記の2つです。
宗教や文化が異なると、服装のルールも必然的に変わってきます。この項目では、マレーシアならではの服装ルールの特徴について紹介します。
イスラム教徒の同僚への配慮とタブーな服装

マレーシアの公式はイスラム教であり、人口の約6割はマレー系マレーシア人(イスラム教徒)です。
イスラム教では、肌の露出を抑えることが美徳とされています。
現地のマレー系女性のほとんどは「トゥドゥン(ヒジャブ)」と呼ばれるスカーフで頭を覆い、長袖、ロングスカート(もしくは長ズボン)の格好で、手首から足首まで服を着ています。
日本人が彼らと同じ服装をする必要はなく、相手が不快に感じない程度の露出を控える意識があれば十分です。
例えば極端なミニスカート、ショートパンツ、胸元が大きく開いたトップス、透け感の強すぎる服はNGの状況もあります(公的機関を訪問する際の厳格なドレスコードを参考にしてください)。
とはいえ、マレーシア人の中にも比較的自由な格好をして仕事をしている人もいるので、職場の雰囲気によっても大きく異なるでしょう。
公的機関(政府機関)を訪問する際の厳格なドレスコード

引用:pexels
プライベートやビジネスの場はカジュアルですが、公的機関を訪問する場合だけは厳格なドレスコードが設けられています。
例えば下記のとおりです。
ドレスコードを無視すると、入り口の警備員に止められ、中に入れてもらえません。
マレーシア公共サービス局(JPA)でも公務員や来訪者の服装規定を定めています。
公的機関に行く日は「長ズボン(長めのスカート)+襟付きシャツ+靴」という、露出を抑えたきちんとした服装を心がけましょう。
参考データ:マレーシア公共サービス局(JPA)公式ポータル
クアラルンプールでビジネスウェアはどこで買う?

ショッピングモールに入っているユニクロ(Mako撮影)
クアラルンプールには「ユニクロ」や「H&M」「ZARA」などのグローバルブランドが多数出店しています。
ですので「日本からたくさん服を持っていかないとダメ?」と心配する必要はありません。
特にユニクロの「感動パンツ」や「エアリズム」シリーズは、常夏のマレーシアでも大活躍するため現地在住日本人にも大人気です。
また「Padini(パディーニ)」や「G2000」といった現地の人気アパレルブランドなら、マレーシアの気候に合った薄手で手頃な価格のオフィスカジュアルが手に入るでしょう。
まとめ:移住・転職を成功に導く文化の理解と適応力

引用:pixabay
マレーシアでのビジネスファッションは、単なる「服選び」にとどまらず、異文化への理解と適応力を示す重要な機会です。
以下のことを意識して、服装を選ぶと良いでしょう。
- 冷房対策をしっかり行い体調管理をする
- TPOに合わせてカジュアルとフォーマルを使い分ける
- ローカル文化に敬意を払う
これらを意識した服装を心がけることで、現地の同僚やクライアントからの信頼を得やすくなります。
多民族国家であるマレーシア人たちは、それぞれ文化が違うことを理解しています。それで、自分たちの文化を私たち日本人に押し付けてきません。
ただ、お互いの文化を理解しリスペクトしたいという気持ちを持っていて、自分たちの文化もリスペクトしてもらいたいと願っています。
言葉は通じなくても、気持ちは通じます。
相手に対するリスペクトの気持ちがあれば、失敗したとしても、関係がこじれることは少ないでしょう。
また私たち自身も、自分の視野が広がり、マレーシアでの転職・移住生活をより楽しめます。



